楽山園

楽山園

10月27日(日) 甘楽町小幡の楽山園へ訪れました。楽山園は、小幡藩二万石の藩邸に付属する群馬県内唯一の大名庭園です。織田氏により築庭され、複数の茶屋を設け、「庭園と茶事」を巧みに演出しています。
 心やすらぐ庭で、西や南の山々を借景とした広がりのある空間構成は、まさしく「庭園美」の極みといえます。
 江戸時代と変わらぬ景色の中で、ゆったり静かなひとときをお過ごしください。

楽山園の歴史と概要

 楽山園は、江戸時代初期に織田氏によって造られた小幡藩邸の庭園です。池泉回遊式の借景庭園で、「戦国武将庭園」から「大名庭園」へと移行する過渡期の庭園と位置付けられ、京都の桂離宮と同じ特色があります。
 景石(けいせき)の置かれた池を中心として、「中島」や「築山」を築いて起伏のある地形を造り出し、「梅の茶屋」や全国的にも珍しい五角形の形状をした「腰掛茶屋」など複数の茶屋を配し、それらを巡る園路にも工夫を凝らしています。
 借景庭園としても秀逸で、庭園の西側にある雄川(おがわ)をはさんで紅葉山(もみじやま)、南方の連石山(れんせきざん)、熊倉山(くまくらやま)などの山並を借景として取り込み、豊かな広がりを演出している空間構成は、庭園美の極みといえます。
 さらに、複数の茶屋を配していることから、「織田氏と茶事」との関連も深くうかがうことができ、歴史的・文化的にも高い価値がある庭園です。
 楽山園という名前の由来は、「知者ハ水ヲ楽シミ、仁者ハ山ヲ楽シム」という論語の故事から名付けられたと言われています。
 ”平和の始まり”を意味する「元和(げんな)」元年(1615)に小幡の地を拝領した織田信雄。戦乱の世を駆け抜け、ようやく訪れた天下泰平の世に築いた楽山園には、世の平和と領民の安心を願う気持ちが込められています。


指定年月日   平成12年(2000)3月30日 国指定名勝
指定面積     23,437.33平方メートル
開園年月日   平成24年(2012)3月24日  
主な復元建築物
             梅の茶屋(平成17年度)、腰掛茶屋(平成17年度)、土橋・土塀・井戸(平成18年度)、拾九間長屋(平成19年度)
             庭門(平成20年度)、北裏門・管理門(平成21年度)、中門(平成22年度)

樹木数      高木 534本(アカマツ・イロハモミジ・ヤマザクラ・シラカシ・ウメほか)
             中低木 334本(ヤマツツジ・ミツバツツジ・ヤブコウジ・ムラサキシキブ・シモツケほか)
             ボタン 23種39株
             シホウチク 327株
             草本類 13種825株(セキショウ・カキツバタ・オミナエシ・ニホンズイセン・ツワブキほか)

楽山園住所他

住所等     群馬県甘楽郡甘楽町大字小幡648-2  TEL 0274-74-4795